菊地恵太著『日本略字体史論考』(日本語学会論文賞叢書2)学術奨励賞受賞(報告)

 菊地恵太著『日本略字体史論考』(日本語学会論文賞叢書2)が国立国語研究所宮地裕日本語研究基金学術奨励賞を受賞しました。

 

授賞理由 :

 本書は日本語における漢字の「略字体」についての初めての専書であり、日本語史研究の中でも重要な位置を占めるものである。位相論的観点、特に仏家・非仏家の対立から略字体使用の状況を分析することで新たな整合的解釈を得ていることや、また略字体史の段階モデルの提案がなされていることなどが高く評価できるだけでなく、「抄物書き」といわれる特殊な略字の概要も詳しく探求されており、中世日本語の表記史研究について今後欠くことのできない書物となると考えられる。申請者の研究歴の浅さに比して高い学的水準に達しており、学術奨励賞にふさわしいものと結論づけた。

 

award2023A

 

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(2023年6月28日掲載)

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